やる気がないなら借りてくれば良い

 

以前このブログのどこかで、システム心理学とか深層心理学とか名前は何でもよいけど、心理学は内面だけではなく環境を含めた外面もあわせて一つのものとして見る必要がありそうということを書いたのだけど、このツイートもそういう考えを裏付けるものの一つだと思う。

いま読んでいるジェイ・エイブラハムの本のなかで、『「自分1人でできる」的なメンタリティは6歳の子供なら褒められたものだが、21世紀のビジネスの世界では通用しない』と書いている。

この本はビジネスに関するものなので、あくまでもこの記述はアウトソーシングのような今では一般的なビジネス上の考え方を綴ったものに過ぎないかもしれないが、これは思想や心理についても当てはまるように感じる。*1

 

 

努力すること

 

mistnotes.hatenablog.com

 

こちらの記事の努力することは必要かという考察のなかで、「努力というのは主観的な評価なので何ともいえないけど、何かを為すひとは圧倒的な作業量をこなしているという点については共通している」という、ごく当たり前なことを書いた。

 

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steve jobs のTシャツ

 「週90時間労働、最高」って書いたTシャツをみんなで着て働いていたというAppleSteve Jobsにしても、TeslaやSpaceXを手掛けるElon Muskにしても、1流のコンサルティング会社にしても広告代理店にしても、とにかくみんな長時間の作業をこなしている。

最近ではレペゼン地球のDJ社長とか与沢翼とか、YouTubeで有名なひとをみてもそれは変わらない。彼らの熱量は半端なくて、僕には真似できない。

見よう見まねでしぶしぶ長時間働くことはできるかもしれないけど、同じようなエネルギーを自分で自発的に生み出しながらできる気がしないのだ。

むかし聞いたことあるHarvard Business ReviewのPodcastで「時間の代わりに熱量をマネジメントせよ」という趣旨のトークがあった。内容についてはあまり覚えていないけどそのタイトルが印象的だったのは記憶に残っている。

だけど、どうやって?

熱量を高めよ、といわれて、「はいそうですか(ブオーン)」って一瞬で変われるのならば苦労しない。われわれはスーパーサイヤ人でもヘアドライヤーでもないのだから、スイッチひとつで変われるようにはなっていない。

そこで話しはもとに戻るのだけど、だったら自分で無理して意欲的になる必要はないのではないか?と思うのだ。つまり、やる気が湧いてこないのならば、やる気であふれた人の近くにいればいいだけなのだ。

そうすればほら、自分も何かしたいというような、良い意味でそわそわする気持ちになってくるのだ。

 なんて他人任せな、というような気もするけれど、繰り返すように、自分で難しいことについて自分だけで何とかしようとしていても仕方がない。それが技術的なことだけではなくて、心理的なことについても同様に言えるはずだ。

Dale Dautenの本のなかで" I like me best when I'm around you"という台詞がある。私はあなたと一緒にいるときの私の方が好きなのだ、と。

近くにいる、というのは物理的な距離のことだけを言っているのではない。この人といるときの方が私は意欲的になれると思うひとを、ただ考えてみるだけのこと。

僕は結婚をしていないけどスマホの写真を自分の子供にしたりというのも基本的には一緒のことなんだろうな。動きまわれるような底からあふれるエネルギーも、魅力的な夢もいまの自分にはないけれど、そういうのを持っている人たちが、いまどこにいるのかは知っている。それは自分が思っている以上に、有難いことなのかもしれない。

*1:グレゴリー・ベイトソンの本なんかを読むと、こういう自我と世界との関わりみたいなことについては、もっと深い洞察がされている。出来ることなら、もっと言及したいところではあるけれど、この記事とは関係が薄いので省略する。